夜になって布団に入った途端、いろいろなことを考え始めてしまうことがあります。
昼間はそこまで気にならなかったことなのに、一人になると仕事のことや人間関係のこと、これからのことまで頭の中にぐるぐると浮かんできて、なかなか眠れなくなる。
考えないようにするほど、頭の中が静かにならない。そして次の日になると、「どうしてあんなことで不安になっていたんだろう」と思うこともありました。
以前の私は、これを自分の弱さやネガティブな性格のせいだと思っていました。
でも詳しく調べてみると、夜に不安が強くなるのは気持ちの問題ではなく、夜という時間帯そのものが、考え込みやすい状態になりやすいということを知りました。
この記事では、夜になると不安になりやすかった私が、実際にやってみて「夜の考えごとに振り回されにくくなった」と感じた習慣を6つ紹介します。
どれも特別なことではなく、眠れない夜でも無理なくできるものばかりです。
なぜ夜になると不安になりやすいのか
昼間は普通に過ごせているのに、夜になると急に不安が大きくなる。
以前の私は、それがずっと不思議でした。
同じ出来事なのに、夜になると急に深刻に感じてしまう。
昼間なら「まあ大丈夫か」と思えたことが、布団に入った途端に頭から離れなくなることもあります。
でもあとから調べてみて分かったのは、これは気持ちの問題というより、夜の脳の状態が大きく関係しているということでした。
私たちの脳には、不安を抑えたり気持ちを安定させたりする働きを持つ「セロトニン」という神経伝達物質があります。
セロトニンは日中に光を浴びたり活動したりすることで分泌されますが、夜になるにつれてその働きは弱くなっていきます。
つまり夜は、脳の中で不安を抑える力が自然と弱くなりやすい時間帯です。
昼間なら気にならなかったことが、夜になると必要以上に気になってしまうのは、この影響もあると言われています。
さらに、夜はやることが終わり、外からの刺激が減ります。
このとき脳では「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれる回路が働きやすくなります。
これは何もしていないときに、自動的に過去や未来について考え始める脳の仕組みです。
本来は危険を予測して身を守るための機能ですが、現代ではこれが、過去の失敗を思い出したり、まだ起きていない未来を心配したりする「ぐるぐる思考」として現れます。
昼間は仕事や会話などに意識が向いているため気にならなかったことが、夜になると急に大きく感じてしまうのは、この脳の働きによるものでもありました。
つまり、夜に不安になるのは性格の問題ではなく、「そうなりやすい条件がそろっている時間」にいるだけだったのです。
この仕組みを知ってから、夜の不安を無理に消そうとするのではなく、「今は脳がそういう状態なんだ」と少し距離を置いて考えられるようになりました。
それだけでも、不安に引きずられる時間はかなり減ったように思います。
ちょっとだけ覚えておいてほしいこと
不安になったときは、「あ、今、私の脳が空回りしてリスク検索を始めているな」と思ってみてください。
夜に不安が強くなると、多くの人が「自分は考えすぎる性格なんだ」「弱いからこうなるんだ」と、自分を責めてしまいがちです。
でも実際には、これはスマホの電池が減るのと同じように、体や脳の状態によって起こる自然な反応です。
意志の強さで止められるものではありません。だからこそ、自分を責めるほうにエネルギーを使わなくて大丈夫です。
その分の余裕を、これから紹介する「脳のスイッチを切り替える習慣」に使ってみてください。
夜のぐるぐる思考を止めようとしなくていい理由
不安になり始めると、「もう考えるのはやめよう」「寝なきゃ」と思いますよね。
私も以前は、不安なことを考えないようにしようとしていました。でも、考えないようにすればするほど、逆にそのことばかり頭に浮かんでしまいます。
これは珍しいことではなく、心理学では「シロクマ効果」と呼ばれている現象です。
「白いクマのことを考えないでください」と言われると、かえって白いクマのことを思い浮かべてしまう。
人の脳は、「考えないようにする」という指示そのものを処理できないため、結果として同じことを繰り返し思い出してしまうのです。
夜に不安が強くなるときも、これと同じことが起きています。
不安を消そうとするほど、その不安に意識が向き続けてしまい、頭の中のループが止まらなくなる。
だから、「考えないようにする」という方法は、実はあまりうまくいきませんでした。
ここで大きく考え方が変わったのは、「止める」のではなく、「別の方向に意識を動かす」という考え方でした。
不安な思考そのものと戦うのではなく、脳に別の安全な作業を与えて、自然にそちらへ意識を移していく。
そうすると、いつの間にか考えごとの強さが弱くなっていきます。
夜の不安は、なくそうとしなくて大丈夫です。
無理に消そうとするよりも、「今はそういう時間なんだ」と受け流せるようになるだけで、眠れない時間の感じ方は少し変わっていきました。
ではここからは、原因を理解したうえで「実際にやって変わったこと」を、私自身の体験ベースで具体的に書いていきます。
どれも「頑張ること」ではなく、夜の脳の状態に合わせて負担を減らす習慣としてまとめています。
【実践】布団の中で今すぐできる!夜の不安が軽くなった習慣5つ
ここから紹介するのは、特別なトレーニングや強い意志が必要なものではありません。
夜に不安が強くなるときは、すでに脳も体も疲れています。
だから大切なのは、「正しく対処しよう」と頑張ることではなく、考えなくてもできる形にしておくことでした。
実際に試してみて、「これは夜のぐるぐる思考が長引きにくかった」と感じたものを順番に紹介します。
① 頭の中を止めようとせず、別のことを考える(認知シャッフル)

一番効果を感じたのは、「不安を消そうとしない」ことでした。
代わりにやったのが、脈絡のない単語を頭の中で思い浮かべる方法です。
例えば、「あ」から始めて、
アイス、アヒル、雨、アンテナ……
というように、意味のつながりがない言葉をただ思い浮かべていきます。
大事なのは、感情が動かないものを選ぶこと。
最初は「こんなので意味があるのかな」と思いましたが、不思議と途中から考えごとが続かなくなります。
脳が論理的に考えるモードから外れて、「もう考えなくていい時間だ」と判断するからだと言われています。
不安を押さえ込むより、考える方向をずらすほうがずっと楽でした。
② 意識を「今ここ」に戻す(5-4-3-2-1法)
不安が強いときは、頭の中が過去や未来に飛び続けています。
「あのときこう言えばよかった」「明日はうまくいくだろうか」と考え始めると、どんどん現実から離れてしまう。
そんなときに役立ったのが、意識を体の感覚に戻す方法でした。
布団の中で、以下のものを心の中で数えます。
- 目をつむって見える光の残像や暗闇のグラデーションを5つ
- 肌に触れる布団の質感、枕の重みなどを4つ
- 遠くを走る車の音、時計の針の音などを3つ
- パジャマや部屋の微かな匂いを2つ
- 自分の口の中の味(または深呼吸の感覚)を1つ
というように、順番に意識を向けていきます。
やっていることはとてもシンプルですが、不安のループが強いときほど効果を感じました。
頭の中ではなく、体に意識が戻ると、不思議と心拍も落ち着いてきます。
③ 体の力を一度入れてから抜く(筋弛緩法)
眠れない夜は、頭だけでなく体も緊張しています。
自分ではリラックスしているつもりでも、肩や背中に力が入ったままになっていることが多いんです。
そこで、両手や肩にぐっと力を入れて5秒ほどキープし、一気に力を抜く、という動きを何回か繰り返します。
- 両手、両足、肩にグーッと100%の力で力を込める(5秒間)。
- 一気に「フワーッ」と脱力する(10秒間)。
- 力が抜けていく感覚をじっくり味わう。
力が抜けていく感覚に意識を向けていると、体が先に「休んでいい状態」に切り替わります。
眠ろうと頑張るより、体を先に緩めるほうが自然に眠気が戻ってくることが多くなりました。
④ 夜に「答えを出そう」としないと決める
夜に不安が強くなると、「今のうちに答えを出さなきゃ」と考えてしまいがちです。
仕事のこと、人間関係のこと、これからのこと。
静かな時間だからこそ、結論を出したくなる気持ちはよくわかります。
でも実際には、夜は物事を冷静に判断できる状態ではありません。
よく「夜に書いたラブレターは朝読むと恥ずかしくなる」と言われますが、あれと同じです。
夜は感情が大きく動きやすく、普段なら気にならないことまで深刻に見えてしまいます。
だから私は、夜に浮かんだ悩みは「今は考えても正しい答えは出ない時間」と決めて、結論を出そうとしないようにしました。
不思議なことに、朝になると「なんであんなに気にしていたんだろう」と思えることがほとんどです。
夜は答えを出す時間ではなく、考えるのをいったん止める時間。
そう割り切るだけで、頭の中のぐるぐるは少し静かになります。
⑤ スマホを「安心材料」にしない
眠れないとき、ついスマホを開いてしまうことがあります。
同じ悩みを検索したり、知恵袋を読んだりすると、一瞬だけ安心します。
でもそのあと、別の情報を見てさらに不安になることも多くありました。
スマホの光は脳を覚醒させるだけでなく、次々と新しい情報を入れてしまうので、脳が休まる時間がなくなってしまいます。
今は、「眠れないときほどスマホを見ない」と決めています。
最初は落ち着きませんでしたが、慣れてくると、何もしない時間のほうが早く眠れることに気づきました。
⑥【番外編】しっかり眠れる環境を整えたら、夜に考え込む時間そのものが減った
これは少し番外編になりますが、私にとってはかなり大きな変化だったことです。
夜に不安が強くなっていた頃を振り返ると、共通していたのは「眠りが浅い日」が続いていたことでした。
布団に入ってもなかなか眠れず、頭が冴えたまま時間だけが過ぎていく。
その間に考えなくていいことまで考え始めてしまい、気づけば不安がどんどん大きくなっていく、という流れです。
逆に、すっと眠れた日は、不思議なくらい考え込む時間がありません。
当たり前のことですが、眠れてしまえば「ぐるぐる思考」をする時間そのものがなくなるんですよね。
睡眠の大切さを改めて意識するようになったきっかけは、母親が見つけた朝日新聞の記事で、女優の黒木瞳さんが俳優仲間に勧められて使い始めたというアイテムについて書かれていたのを読んだことでした。
半信半疑で試してみたのが、増川いづみ博士が開発したテクノAOの「ミニエネルギーバランサー」という超マニアックなアイテム。
正直なところ、最初は大きな期待をしていたわけではありませんでした。
ただ、使い始めてから入眠までの時間が短くなり、「布団に入ってから考え続ける時間」が明らかに減った感覚がありました。
結果として、夜に不安が膨らむ前に眠れてしまう日が増えたんです。
しかも、朝までぐっすり眠った〜と思ってスッキリ目覚めたら、まだ夜中の1時台だった…なんてこともたびたび(笑)
これはあくまで私個人の体感ですが、夜の不安をどうにかしようと考え続けるよりも、そもそも眠りやすい状態を作ることのほうがずっと大事だったと感じています。
不安を消そうとするより、眠れる環境を整える。
そのほうが、結果的に夜は静かに過ぎていくようになりました。
「これって病気?」と不安になるときに知っておいてほしいこと

夜に不安が強くなると、「自分だけがおかしいのでは」と心配になることがあります。
実際、私自身も知恵袋で同じ悩みを探したり、「毎晩こんなに考え込むのは普通じゃないのかもしれない」と感じた時期がありました。
ただ、ここまで読んでいただいた通り、夜に不安が強くなること自体は珍しいことではありません。
脳の働きや体のリズムを考えると、誰にでも起こりうる自然な反応です。
一方で、もし次のような状態が続いている場合は、一度専門家に相談するという選択も大切だと思います。
- 不安でほとんど眠れない状態が2週間以上続いている
- 朝起きるのがつらく、日常生活に支障が出ている
- 食欲が極端に落ちている、または体調不良が続いている
- 「自分には価値がない」「消えてしまいたい」といった考えが強くなる
こうした状態は、気持ちの問題ではなく、心や体のバランスが少し崩れているサインのこともあります。
病院に行くことは、弱さではありません。
目が見えにくくなったらメガネをかけるのと同じで、脳や心の調子が整いにくいときに、少し助けを借りるだけのことです。
「夜になると不安になるんです」と一言伝えるだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
無理に一人で抱え込まなくて大丈夫です。
まとめ|夜に不安になるのは、心が弱いからではありません
夜になると不安が強くなるのは、性格や考え方の問題ではありません。
一日を過ごして脳や体のエネルギーが減り、考えごとが増えやすい状態になっているだけです。
だから、「考えすぎてしまう自分」を責める必要はありません。
今回紹介した習慣は、どれも不安を無理に消すためのものではなく、夜に頭が暴走しにくい状態を作るためのものです。
考えないようにするのではなく、考え続けなくていい状態をつくる。
それだけで、夜の過ごし方は少しずつ変わっていきます。
眠れない夜があっても大丈夫です。そんな日があっても、人はちゃんと次の日を迎えられます。
この記事で紹介した中から、ひとつでも「これならできそう」と思えるものがあれば、今夜から試してみてください。
夜の時間が、考えすぎてしまう時間ではなく、安心して一日を終える時間になっていきますように。
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